2008-05-04 海に呟く 詩 真夜中の突然の電話海が見たいと呟いた君の声がどこか落ち込んで聞こえた翌日の出社前に二人で海に出掛けた潮風にスカートを揺らしながら素足で走り出した君を追いかけ誰もいない砂浜を走る空はどこまでも青くとても風が強い日だった波打ち際で白波と戯れながらはしゃいで手を振る君の姿に僕は思わず頬を緩める緩やかな弧を描く水平線に向かって来てよかったとそっと呟いた
2008-05-01 大空 詩 「君の大切な人を悲しませたくない」そう言ってあなたはわたしの前から姿を消した一番大切な人にしたかった人からの正しいけれどとても残酷な言葉あなたはきっと知らないでしょう今もあなたの影を探してわたしはこの大空をさまよい続けている
2008-04-24 巣立ちのとき 詩 二人をたとえるならそうツバメの幼いヒナ同士たったひとつのお菓子を巡って大喧嘩をしたこともあったっけ明日の朝にこの家を出て行くけれどこの思い出があれば大丈夫新しい場所でもきっとうまくやれる