朝焼け

どこからともなく
鳥のさえずりが聞こえ始めた

カーテンの隙間から
そっと窓の外をのぞき見ると
朝焼けで茜色に染まった雲が
静かにたなびいていた

思わずはっと息をのむ

昔から見慣れた景色なのに
ただ無心で眺めているだけで
心が洗われるような気がする

やがて窓から差し込む
柔らかな日差し

そんなところにいないで
早く外へおいでよと
誘っているかのような
眩く暖かな光のベール

溢れる涙をぬぐうこともできず
ただいつまでも立ち尽くし続けた