2008-09-03 異国の空 詩 夜明け間もない静かな街にスーツケースのキャスターが小気味よく歩道に響くくすんだ色の空を見上げメロディを口ずさむ幾度となく歌ったその歌の題名を思い出せないまま次の街を目指して僕は歩いた
2008-08-12 朝焼け 詩 どこからともなく鳥のさえずりが聞こえ始めたカーテンの隙間からそっと窓の外をのぞき見ると朝焼けで茜色に染まった雲が静かにたなびいていた思わずはっと息をのむ昔から見慣れた景色なのにただ無心で眺めているだけで心が洗われるような気がするやがて窓から差し込む柔らかな日差しそんなところにいないで早く外へおいでよと誘っているかのような眩く暖かな光のベール溢れる涙をぬぐうこともできずただいつまでも立ち尽くし続けた
2008-07-12 ティータイム 詩 異国の街での一人きりのティータイム微笑みながら見つめ合う恋人たちになぜか胸が痛むあなたは今どこで何をしているの?忘れるために旅に出たはずなのに思い浮かぶのはあなたのことばかり